■小林彰太郎:(1929~2013)自動車雑誌「カーグラフィック(CG)」創設者の一人であり、日本の自動車評論家の草分けです。雑誌「カーグラフィック」は1962年4月に創刊され厳正中立な評論ととりわけ美しい写真に、その頃の日本ではまだ知る人の少なかった海外のレース(もちろんF1も)取り上げて、当時の若者に多くの夢を与えました。これを読んで育った人が後にカーレーサーになったり、自動車産業に関わった事実は数多くあったはずです。今や世界自動車産業頂点に立つ日本、この日本のモータリゼーションに「カーグラフィック」が与えた影響は少なくはなかったと思います。
■右の写真は「カーグラフィック」創刊号の表紙で、メルセデス・ベンツ 300SLロードスターが飾っています。この300SLは在日アメリカ軍人から借りてきたもので、特集ではこれを運輸省村山テストコースで180Km/hでのロードテストを敢行し、記事にしています。
■小林氏の「W124」に関するいくつかの言葉を紹介します。
#1W124は ”自動車評価基準では「私の教科書」であり、操安性やコスト度外視の品質にいたるまで長らくベンチマークであり続けた"
#2 "いろんなクルマに乗って基準がわからなくなったら、W124で箱根を走ってくればいい"
#3 "もし無人島に住む事になって、クルマを一台しか持って行けないとしたら、いちばん小さい6発(6気筒)を積んだEクラス(W124)がいい"
そして最後にこうとも・・・
#4 "ベンツはいつでも一番新しいのがいいのに決まっている、徹底的に使って最後にはポーン!と捨てちまうのが正しい使い方"
・・・えっ?ええ~~~そんなぁ~~それにそれはあまりに「もったいない!」
・・・・・小林彰太郎様のご冥福を心からお祈りします (六)